01 / Introduction日本から海外へ(または海外から日本へ)流れるお金

あなたが今この記事を読んでいる間にも、日本と世界各地の間で、数えきれないほどの送金が行われています。日本企業と海外取引先が貿易や資本取引に伴う仕向送金又は被仕向送金を行う。外国人労働者が母国の家族へ生活費を送る。反対に外国人留学生が学費の一部を故郷から受け取る。これらすべてが「海外送金」と呼ばれる行為です。

かつて海外送金といえば、銀行の窓口で手数料を払い、数日かけて行うものでした。しかし現在では、スマートフォンから数分で完結する送金サービスが普及し、利用者の裾野は急速に広がっています。海外送金は、もはや一部の特殊な金融取引ではなく、日常生活に組み込まれた金融インフラへと変貌を遂げているのです。

本ページでは、海外送金事業の規模感、仕組み、そして社会的な意義について、Sunny Proud が提供するファンドの貸付先となり得る事業領域として、データとともにご紹介いたします。

02 / Market Size海外送金の市場規模

世界銀行「People Move」ブログ(2024 年 12 月)によれば、低・中所得国向けの個人海外送金額は、2024 年に 約 6,850 億米ドル に達する見込みとされています。同ブログでは、これが低・中所得国に流入する海外直接投資(FDI)および政府開発援助(ODA)を上回る水準であることが示されており、海外送金が国際的な資金移動の主要なチャネルの一つとなっていることを示しています(World Bank 「People Move」ブログ)。

Global Remittance Overview
区分 規模(参考) 出典等
世界の個人海外送金(低・中所得国向け) 約 6,850 億米ドル(推計) World Bank「People Move」、2024 年 12 月
主な受取国(アジア) インド、中国、フィリピン、パキスタン、バングラデシュ、インドネシア、ベトナム、ネパール 等 上記 World Bank 資料等
日本から海外への個人送金 約 61 億米ドル(1 米ドル=150 円とすれば約 9,150 億円、2024 年推計値) World Bank Open Data(IMF 国際収支統計に基づくスタッフ推計)。個人間移転および被雇用者報酬を含む。

これらの送金の多くは 「生活を支えるための定期的な送金」 であるとされています。母国の家族・親族の生活を維持するために、一定の頻度で継続的に送られる傾向があり、この継続的な需要が海外送金事業の取扱量を支えています。

03 / Users主な利用者と用途

海外送金の利用者は、大きく以下の 4 つに分類できます。

1. 在留外国人による家族送金

日本で働く・学ぶ外国人が、母国の家族へ生活費を送るケース。海外送金サービスの代表的な利用場面の一つです。技能実習生、特定技能労働者、留学生、定住者など、在留資格を問わず広く利用されています。

2. 日本人による留学・長期滞在資金の送金

子女の海外留学費用、海外居住者への生活費補助、海外不動産購入資金など、日本人が海外へ送金するケースです。1 件あたりの金額が大きい一方、件数は限定的です。

3. 法人の貿易・サービス決済

輸入代金、海外子会社への運転資金、海外フリーランス・サービス事業者への報酬支払いなど、企業活動に伴う送金です。銀行間の SWIFT 経由が中心ですが、近年は中小事業者が送金事業者を利用するケースも増えています。

4. 個人投資家による海外口座への送金

海外証券口座への資金移動、海外不動産投資、暗号資産関連の取引など、投資目的の送金です。規制対応の観点から、銀行経由が利用されることが多い類型です。

Key Insight

海外送金市場の中でも、代表的な存在の一つが「在留外国人による家族送金」領域です。Sunny Proud が貸付先の事業として注目するのは、この領域とその周辺で生じる金融サービス需要です。

04 / Channels2 つの代表的なルート

海外送金手段は、大きく以下の 2 つに分かれます。それぞれにメリット・デメリットがあり、利用者は目的に応じて使い分けています。

銀行送金(仕向および被仕向送金・SWIFT 経由)

最も伝統的なルートで、銀行の海外送金サービスを利用する方法です。SWIFT というメッセージング網を介して、世界中の銀行間で資金が移動します。信頼性が高いと見られている一方、手数料は割高であることが多く、着金まで数営業日を要する場合があります。法人の貿易決済や、高額の個人送金に多く利用されています。

資金移動業者による送金

資金決済法に基づく登録を受けた事業者が提供するサービスです。SBI レミット、ジャパンレミットファイナンスなど、複数の登録事業者がサービスを提供しています。銀行よりも割安な手数料設定を掲げ、着金も早い傾向にあるため、着実に利用が拡大しています(一般社団法人日本資金決済業協会「資金移動業の実績推移」)。自社営業所や代理店の店舗網を通じた対面受付型と、スマートフォンアプリや PC のブラウザーで手続きを完結するデジタル型の 2 形態があります。デジタル型では、ゆうちょ銀行 ATM やセブン銀行 ATM、ネットバンキング経由の振替など、利用者が使い慣れた入金手段を選べる仕組みが広がっています。事業者ごとに対応通貨・送金先国・為替レートの提示方法が異なるため、利用前の確認が推奨されます。

05 / Regulation規制と監督官庁

海外送金は、金融取引の中でも特にマネー・ローンダリングやテロ資金供与のリスクが高い領域とされ、各国で厳格な規制が敷かれています。日本においても複数の法律が関係します。

Japanese Regulatory Framework
主体等 根拠法 監督官庁・所管
銀行等の金融機関 銀行法 金融庁
資金移動業者(海外送金取扱業者) 資金決済法 金融庁
上記すべてに共通 犯罪収益移転防止法(犯収法) 金融庁(事業者の監督)・国家公安委員会(疑わしい取引の届出を所管)
外為法上の届出義務 外国為替及び外国貿易法 財務省

とりわけ 犯収法に基づく本人確認(KYC)と取引時確認 は、海外送金事業者にとって最重要のオペレーションです。利用者の本人確認資料の確認、送金目的の聞き取り、不審な取引のモニタリング体制の構築が義務付けられており、継続的な事業運営の前提条件とされています。

06 / Industry Shift業界の構造変化

海外送金業界は、過去 10 年で大きな構造変化を経験しています。主要なトレンドを 3 点整理いたします。

1. 銀行から専業事業者へのシフト

かつては銀行が海外送金市場の中心でした。手数料や着金スピードを重視する利用者を中心に、資金移動業者の利用が拡大しています。特に在留外国人の生活送金では、コストとスピードを重視する傾向が顕著であり、日本でもデジタルアプリ経由の海外送金手段を選ぶ割合が前年比 10 ポイント上昇しています(Visa『Money Travels: 2025 Digital Remittances Adoption Report』)。

2. デジタル化と多言語対応

スマートフォン経由の送金が標準化し、対応言語も日本語・英語にとどまらず、中国語、韓国語、ベトナム語、タガログ語、インドネシア語、ネパール語などへ広がっています。

3. 規制強化とコンプライアンス対応コストの上昇

マネー・ローンダリング対策(AML)、テロ資金供与対策(CFT)の世界的な強化により、コンプライアンス体制の構築・維持コストは上昇傾向にあります。新規参入のハードルは高く、すでに体制を持つ既存事業者の優位性が増している側面があります。

07 / Why Nowなぜ「在留外国人 × 送金」が事業領域として注目されるのか

ここまで見てきた海外送金市場の中で、Sunny Proud が貸付先の事業として注目するのが「在留外国人による家族送金」の領域です。その理由は、以下の 3 点に集約されます。

① 人口動態と整合的な市場拡大の流れ

在留外国人人口は、出入国在留管理庁「在留外国人統計」の令和 7 年末現在において、約 412 万人と過去最多を更新しています。育成就労制度の創設(出入国在留管理庁・法務省公表資料に基づき、施行時期は概ね 2027 年頃とされる)など、外国人材の受入に関する制度整備が進められており、これに伴う送金需要の動向にも注目が集まっています。

② 生活送金という利用パターン

生活送金は、母国の家族・親族の生活費を支える目的で、一定の頻度で継続的に行われる傾向があるとされます。他の目的の送金取引と比べて、取引需要の動向が比較的安定的である傾向があります。

③ 社会的意義との両立

在留外国人の生活基盤を支える金融サービスの充実は、彼ら・彼女らの日本での生活基盤を支えることに繋がります。もっとも、社会的意義があり市場規模が拡大していることと、個別ファンドの元本償還・分配リスクの大小は別問題です。個別の貸付・送金の結果は、各ファンドの貸付先の信用状況、事業環境、回収状況等に依存します。Sunny Proud は、この領域に関する一般的な情報を提供するとともに、募集を行う個別ファンドについては、各ファンドの内容およびリスク等をご案内します。

Conclusion

海外送金は、もはや「特殊な金融取引」ではなく、「日常を支える金融インフラ」へと位置付けが変化しています。とりわけ在留外国人による生活送金は、社会的意義の側面でも注目される領域であり、Sunny Proud はこの領域に関連する投資機会と参考情報を、引き続きお届けしてまいります。なお、個別ファンドの内容、リスク、募集条件、資金使途、貸付先情報、手数料、分配・償還条件等は、各ファンドページおよび契約締結前交付書面等をご確認ください。